今年の春夏はアイスカラーもいいけど、白につきると思う!
白シャツに白パンツ、ほんで白い靴で決めてやりたい!
そして、その白い靴はもちろん、本格派系の革靴がいいと思う。
と思って、先日白い革靴を求めて歩き回ったが、改めて感じさせられたことがある。
白い革は要注意なのだ
今期は本当の純白、ピュアホワイトが素敵で、且つマニッシュシューズはマットめなものが格好いいが、そういった白い革は要注意。
なぜなら白い革は顔料がのったものが多く、マットな革は屈曲させると表面の顔料にシワがよった形になり、シワの間が黒ずみ汚れが目立ち美しく保てないからだ。
なぜそうなるのかというと、白い革というのがそもそも作りにくいためだ。
白い革は、なんで作りにくいのか
誰もが知っているように、革は動物の皮から作られる。
その時、「なめし」という加工を施して、腐らないようにして、固くならないようにして、皮は革になる。
この「なめし」加工無くして革は出来ないのだ。
ちなみに「なめし」は漢字で「鞣し」、柔らかい革と書いて「鞣し」なのだ。
で、なめし加工にはいくつか種類があるが、いま大半は「クロムなめし」が主流である。
クロムなめしは硫酸クロム塩という薬品を使った加工で、安く、早く、大量に、その後の染色などの加工がしやすい柔らかい革を作ることが出来る。
ちなみにその対極にあるのが「タンニンなめし」だ。
こちらは昔からの手法で時間をかけて、ミモザなどの植物がたっぷり入った液体の層に皮を漬込むことでなめす方法。
使えば使うほど味が出るしっかりした革、傷もその革の味、といった皮革製品はだいたい「タンニンなめし」のものとイメージしてもらってよい。
どちらも一長一短である。
以前、姫路の革の工場に見学に言った際、「タンニンなめし」は3週間、「クロムなめし」は3日間でその加工を終えると聞いた覚えがある。
で、クロムなめしは、なめした後に、クロム塩が要因で青みがかかって、真っ白にはならない。
これが「ウェットブルー」といわれ、見学時に見せてもらったがグレイッシュブルーのような色合い。
そして、他の色は染料で染まるのだが、白だけはどうしても革の中に入っていかず、どうしても青みが残る。
スムース(スエードなどではないツルツルの革)の真っ白を作るのは顔料をのせるしかないらしい。
だから白い革は作るのが難しいのだ。
シボ加工は問題ないと思うのだけど
シボはそもそも型押しあるいは熱加工のときにシワが入っているので、使い込んでいっても顔料の浮いたようなシワは目立たない。
まあシボのシワには汚れは入りやすいけども。例えばミネトンカとかね。
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ガラス加工のものもそんなに汚く目立たない気がする。そもそもガラスってだけでどんな色も大きな波のようなシワが目立ちやすいし。
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問題はそうでない、よくあるマットでツルっとした革だ。普通のスムース。ツヤ無しの。
最初は良くてもだんだん…気になるのよね…。
この間も、わりと有名な紳士靴のブランドのもので、白と黒のコンビのローファーがレディースサイズであったものだから、5万円切る!?買うー!と思ったのだけど、
サイズを出してもらったら他のお客さんの試着後の甲のシワがたっぷり入ってペンキが浮いたような細かなシワが寄り、さらに黒ずんでいて…美しくなかったのだった。あれはショックだった。
その後、色々なショップ、メンズレディース問わず白いマニッシュな靴を置いているところを見てまわったが、どーもしっくりこない。
むしろ合皮の方がいいんじゃないの?と思い始めた始末だ。
トリッカーズはどうだったっけ?
とここまで書いておいて、トリッカーズはどうだったかチェックするのをすっかり忘れていた。
そもそも、トリッカーズではちょっとフォルムがゴツめになっちゃうのでスルーしていた。
今度チェックしてみよう。
他にも、「クロムなめし」以外の「なめし」だと基本的にできるかどうか、どうだったか覚えてないしなあ。
もしかしたらきれいに純白のものが出来ているのかも?しれない。
あとはいっそ10万円前後以上の、高いお値段だったら違うのかもしれないが、なかなか私の買えるドンピシャのものが無いのが悲しい限りだ…。
手頃に買いたいならいっそ合皮だ合皮
まあ気にしない人ならいいのだろうけども、私は気にしてしまうので、いっそ合皮を買う。短命であり、足に馴染みにくいのは覚悟の上だ。それか先に書いたガラスのものとか。
なかなか、好みのモデル、好みの作り、価格帯ではまるものが無いもんだなあとしみじみ感じた、白い靴巡りだった。
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